アトピー性皮膚炎と夏のスキンケア

梅雨の時期もそろそろ終わり……と思いきや、今年は「梅雨の中休み」といえる天気が続いています。
一見、晴れ間が広がって気持ちよく感じますが、湿度が高く、アトピー性皮膚炎のお子さんにとっては注意が必要な時期でもあります。

最近も、「汗をかいたあとにかゆみが強くなった」「首や関節の内側が赤くなっている」といったご相談が増えてきました。
特にこの時期は、室内のダニの増加や汗、紫外線といった要因などがアトピーを悪化させることがあります。

🔹 夏のスキンケアのポイント

  1. 汗をこまめにふき取る・洗い流す
    汗は天然の保湿成分を含んでおり、皮膚にとって重要な役割も担っています。
    しかし、汗をかいたまま放置すると、皮膚の刺激となってかゆみや湿疹の悪化につながるため、こまめにふき取ったり、ぬるめのシャワーで流してあげることが大切です。
    外出先では、濡らしたガーゼやタオルで優しく押さえるようにふき取るとよいでしょう。
  2. 紫外線対策
    紫外線にはビタミンDの合成を助けるなどの良い面もありますが、過度に浴びると皮膚のバリア機能を壊し、アトピー性皮膚炎の悪化要因にもなり得ます。
    つばの広い帽子や長袖・長ズボンで肌の露出を抑える工夫をしてみるのもおすすめです。
    日焼け止めを使いたい場合は、なるべく湿疹が落ち着いてから、ノンケミカルタイプの日焼け止めをおすすめしています。
  3. 夏の保湿
    「汗をかくから保湿はいらないのでは?」と思われがちですが、エアコンによる乾燥や、洗浄後の水分蒸発によって、夏も肌が乾燥しやすいことがあります。
    適切な保湿は、かゆみや炎症の予防にもつながります。
    ベタつきが気になる場合は、当院にお気軽にご相談ください。
  4. 症状に応じて外用薬を使う
    赤みやかゆみがある部分には、保湿だけでなく適切な外用薬(ステロイドなど)が必要な場合があります。使用を自己判断でやめず、気になるときはご相談ください。 

夏はアトピーにとって試練の季節でもありますが、毎日のちょっとした工夫で、かゆみや湿疹を和らげることができます。お子さまの肌の状態は季節によっても変わりますので、気になることがありましたらどうぞお気軽にご相談ください。

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