食物アレルギーは「食べて治す」 二重暴露仮説と経口負荷試験について

「卵はいつから食べさせていいですか?」
「少し食べて蕁麻疹が出たので、ずっと除去したほうがいいですか?」

外来では、このようなご相談を日々たくさんいただきます。
今回は、食物アレルギーの近年の考え方である「二重暴露仮説」と「経口負荷試験」について、できるだけ分かりやすくお話ししたいと思います。

食物アレルギーの考え方は大きく変わってきました。

ひと昔前、だいたい10〜20年ほど前までは、「アレルギーが心配なら、とにかく食べさせない」という指導が一般的でした。
しかしこの10〜15年ほどで、食物アレルギーの研究は大きく進歩し、必要以上の除去は、かえってアレルギーを治りにくくしてしまうことが分かってきました。

現在では、「どう安全に食べていくか」を考える時代になっています。

二重暴露仮説とは?

最近の研究で、「食物アレルギーは、皮膚から食物の成分が体の中に入ることが原因となる」と考えられるようになってきました。

湿疹やアトピー性皮膚炎などで荒れた皮膚から食べ物の成分が体の中に入ると、体がそれを「敵」と勘違いしてアレルギーを作ってしまうことがあります。
一方で、口から食べることは、体に「これは安全なものですよ」と教える方向に働くことが分かってきました。

つまり、

皮膚から入る → アレルギーになりやすい

口から食べる → 食物に慣れていきやすい

という、2つのルート(=二重)の違いがある、という考え方が二重暴露仮説です。

「除去しすぎ」が逆効果になることもあります。

もちろん、アレルギー症状が強く出る食べ物を無理に食べるのは危険です。
しかし、「本当は少しなら食べられるのに、ずっと完全除去を続けてしまう」ことで、食べられるようになるチャンスを逃してしまうこともあります。

だからこそ、

本当に除去が必要なのか

どのくらいなら食べられるのか

を、きちんと医学的に評価することが大切です。

経口負荷試験とは?

そこで重要になるのが経口負荷試験です。

経口負荷試験とは、医療機関の管理のもとで、少量から実際に食べてみて、本当にアレルギーがあるのか、どのくらいなら安全に食べられるのかを確認する検査です。

血液検査だけでは、「実際に食べたときに症状が出るかどうか」「どのくらいの量まで大丈夫か」は正確には分かりません。
最終的な判断には、実際に食べて確認することがとても重要になります。

経口負荷試験のメリット

経口負荷試験を行うことで、

実は「完全に除去する必要がない」ことが分かる

「このくらいの量なら安全に食べられる」ことが分かる

少しずつ食べ進めていく練習につなげられる

など、お子さんの食生活の幅を広げられるケースがたくさんあります。

「ずっと除去していたけれど、実は食べられるようになっていた」ということも、決して珍しくありません。

当院では、

本当に除去が必要かどうか

どこまでなら安全に食べられるか

など、できるだけ「食べられる方向」で考える診療を行っています。

必要に応じて、経口負荷試験も含めた評価をご提案しています。

「本当にずっと除去が必要なのかな?」

「一度きちんと調べたほうがいいのかな?」

そんなときは、どうぞお気軽にご相談ください。

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